メスのお腹はまるく(写真 左側)、オスのお腹は三角形(写真 右側)になっています。
※上海カニは、中国では「大閘蟹(ダーチャーシエ)」と呼び、主な産地は蘇州近郊の「陽澄湖」。最近では、偽物も出回っています。
一昔前の上海人は、上海蟹を今のように頻繁にたべることは無く、シーズンに数匹食べられたら良いほうだったそうです。昔は高価な食材でしたが、蟹の養殖が盛んになり、スーパーに並ぶ様になり、気軽に食卓に出されるようになりました。
10月は、蟹味噌と卵をバランスよく蓄えたメスが美味しい季節です。11月頃になると玉子が多くなり蟹味噌が少なくなってしまいます。それに代わるのが、オスの上海蟹です。オスは「膏」と呼ばれる白子をたっぷりと蓄えた11月頃は、美味しく食べられます。
上海蟹は、お酢や生姜酢をつけてほんのり甘くプリプリとしたむき身を食べますが、なんといっても醍醐味は、メスの蟹味噌とオスの白子です。その濃厚な風味を相性抜群の紹興酒とともに、お楽しみください。
ズワイ蟹など日本のカニと比べてサイズが小さいので、肉を取り出す作業は根気を要しますが、 中国の方は、たいへん綺麗に食べます。
蟹は陰陽で言うと身体を冷やす「陰」の食べ物と言われています。身体を温める効果のある「陽」の紹興酒や、食後に出て来るしょうが湯で陰陽のバランスを取ります。お酢も同じく身体を温める作用と同時に、蟹の臭みを消す効果もあります。